46歳、中年男の挑戦ーズッダヨガ200時間TTC感想文(山口卓也)

確かに去年はもっと柔らかく伸びた手足が随分固くなった。

今年46歳になる中年男がなぜ、今ヨガなのか。

私たちは何千年も昔からこの同じ体を与えられ、自分を見つめる機会を得てきた。

そして、その永い歳月を経て、心と体の繋がりは知り尽くされてきた。

ヨガはストレッチではない、体をどうすれば、どうなるのかということが、同時に心と体を整える方法が何千年も昔から理解されていた。

これがいいではなく、各個人、自分の体に必要なポーズがある。

そして、ただ肉体だけでなく精神的に自分に必要なものが何かを知ることもできる。

自分の状態を知る術があり、それに対応する呼吸があり、動きがある。

日に日に健康になっていく自分を実感することが何よりも嬉しい成果であり、それをいったん得てしまえば後戻りすることもない。だから、続けられるし、自然と続けていく。

健康だけでない、人間の可能性、それは持って生まれた能力を使わないで一生を終えるか、使って人生を実りあるものにするかの違いがある。

ヨガを知ればだれでも、自分の持っているエネルギーに気づく。人間の体には、まるで隠されたスイッチがあり、そのスイッチを入れるとエネルギーが湧き出すのを感じる。そこで、そのエネルギーをどうすればいいのかというところが独学では難しい。この先は経験を通した導きが必要となる。

初めて、ヨガを習ったが、このTTCはヨガを中心にしているがなんと、解剖学、生理学まであり、あらゆる角度から人間を見ていく。

しかし、一番驚いたことは滞在中の全諸経費を自分で支払い、無償で働くボランティアのヨガの先生たちで成り立っているのだ。彼らはキャンプをし、少ない食事でみるみるうちに痩せていったが、たえず笑顔を絶やさないのだ。驚きはやがて深く感じ入るところとなり、身に染みた。こうした環境の中での生活というのは単にヨガを学ぶだけではない、こうした人の繋がりまでもがヨガを如実に顕わしている。それを感じ、この感覚を経験することがどういう思いをもたらすのか、多くの人に知って頂きたいと強く思う。

インスピレーションと気づきが参加者それぞれにあった。

だから、ウェイロン先生のTTCに参加することはヨガの先生になるということより、人生の財産になる。

ウェイロン先生は「種を与えただけ」と言ったが、これは確実に発芽する。

どんな木になり、花が咲くのか。

TTC2016の素晴らしい人たちに心から深い感謝を送りたい。

山口卓也